回の家~桜の大木と共に生き中庭を中心に回遊する家

2003 神奈川県 横浜市

木造+RC 混構造

地下1階 地上1階建て

ハウスコンペ最優秀作品
緑豊かな横浜泉区の市街化調整区域。敷地は緩やかな斜面地で樹齢100年の桜の木と枝垂桜があり、横浜では誰もが羨む場所である。建物は斜面地にコンクリートでフラットな土台を築き、木造の平屋を乗せた混構造とした。
一般的には緑に向かって開放的に作るが、建て主には周辺の畑の土埃で家の中が汚れてしまうという悩みがあった。そこで、家自体が防犯を兼ねた要塞のような役割をし、ロの字型でプライベートな中庭を持つ住まいの提案をした。回遊性のあるプランとし、玄関からは中庭へにじり口で、往来できる動線とした。利点はプライベートを覗かれずに、リビングへと来客を招き入れることができる。リビングには枝垂れ桜と小川を眺められる地窓をとり、視線を気にすることなく花鳥風月を愛でることができる。中庭は敢えて植物は配置せず、つくばいから流れ落ちる水による水盤がさらさらと音をたて、白い外壁に煌めく演出をしている。クライアントは洋服のデザインを行っておりアトリエと茶室も併設している。地下は現在、カフェとして使用されている。